意識

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今日のイケメン5は明らかにおかしかった。 互いに関わろうとせず、それぞれが単独行動をしていたのだ。 真弥と奏に至っては、片や一日中ずっと机に突っ伏したまま、片や授業時間以外は教室からいなくなるという奇妙な状態であった。 神奈は気になって仕方がなかったが、璃麻にそっとしておいたほうがいいと諭され、干渉することをあきらめた。 教室の空気も何となくだが緊迫していた気がする。 その中で何も変わっていなかったのは、ユウくらいのものだ。 「本当、どうしちゃったんだろう…」 「何が?」 詩音に尋ねられ、神奈ははっと我に返った。 そうだ、自分は今、いわゆる"放課後デート"というものをしているのだ。 朝の教室でつい断れずにOKしてしまった、詩音とのデート。 それが、先程開始されたところなのである。 「う、ううん、何でもない」 「そうか」 「うん」 頷きながら、神奈はなぜ自分はこうも流されやすいのかと自己嫌悪した。
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