意識

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「いいから。どっか行きたいところはないのか?」 「うーん…」 神奈はしばらく考えを巡らせてから、あ!と声をあげた。 「クレープ屋さんに行きたい!」 「クレープ屋?」 「そう!璃麻が前に、大通りにおいしいクレープ屋さんが出来たって言ってたんだけど、私まだ行ったことなくて…」 「じゃあ、とりあえずそこに行くか」 「やったー!クレープクレープ♪」 詩音が要望を受け入れると、神奈はまるで子どものようにはしゃぎ出した。 「急に元気になりやがって…」 「おいしいクレープが食べられるんだよ?そりゃテンションも上がるでしょ!」 「そういうもんか?」 「そういうもんです!」 神奈の楽しそうな様子を見た詩音は、呆れながらもその顔に微かな笑みを浮かべた。
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