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「顔を見られちゃ生かしておけねえよな」
物騒なことを呟いて逃げた男たちを追おうとする少年。
しかし、突如目の前に現れた人影に行く手を阻まれる。
「――キミは相変わらず血の気が多いね」
学生服を来たその人物は、少年ににっこりと笑みを向けた。
少し癖のあるふわふわの赤髪、優しげな印象を与える猫目――
「まあ、これでも食べて少し落ち着きなよ」
いちごみるくキャンディを少年に差し出した彼は、紛れもなくユウだった。
「どけ、猫目野郎」
「それは無理な要求だねえ。こんなところで妙ないざこざを起こされると面倒なんだよ」
「知るか。おれには関係ねえ」
「まったく。そんなんだからキミはいつまで経っても成長できないんだよ?」
「何だとコラ」
少年がユウの胸倉に掴み掛かる。
ユウは動じることなく言葉を続けた。
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