天使か悪魔

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「カンナはそんなこと、望んでないと思うけどなー?」 その一言に、少年はぐっと言葉を詰まらせた。 悔しそうに唇を噛み締めながら、ゆっくりと手を離す。 「お利口さんだね。どっかの駄犬とは大違いだ」 「…テメェは一体何しに来た」 「んー?ちょっと様子を見に来ただけー」 「……気分悪ぃ。帰る」 「あ。コレどうすんのー?」 「テメェの好きにしろ」 ユウが気を失って地面に転がっている男を足でコツンと蹴れば、少年は興味なさげにそう応えた。 えー、ユウが嫌そうな声をあげる。 少年は構わずその横を通り過ぎた。 「――ねえ、カンナとはもう接触した?」 「………いいや」 すれ違い様にそんなやり取りをして、2人は別れる。 「本当に成長してないねえ、キョウスケくんは」 ユウの言葉は、暗くて狭い路地裏によく響いた。
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