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「か、鎌瀬くん…っ!?」
「こんなことろで何してるんだ?」
「へ!?あ、えっと…」
何、と問われても回答に困る。
ブランコに乗って考え事をして、酔っぱらいのおじさんに絡まれて、中学生くらいの少年に助けられて…。
ああ、ダメだ。
ロクなことをしていなかった。
神奈は視線を泳がせながらうー、と唸る。
「鎌瀬くんは!?鎌瀬くんはどうしてこんなところに?家この辺だったけ?」
結局下手に誤魔化すことしかできなかった。
亮夜はああ、とコンビニ袋を神奈の前に差し出す。
「兄貴に頼まれて、この近くのコンビニで雑誌買ってきたんだよ」
「鎌瀬くん、お兄さんいたの?」
「まあな」
「そっか…」
沈黙。
神奈は亮夜の顔をまともに見ることができず、ずっと視線を泳がせていた。
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