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「…私…っ」
――そうやって縋り付けば何とかしてくれるとでも思った?
その瞬間、脳内で誰かの声が響いた。
――あんたのそういうところ、大っ嫌い
ある少女の映像が意図せず映し出される。
――あんたはみんなを不幸にするの
自分に憎しみの込もった視線を向けるこの少女を、神奈は知っていた。
でも、思い出せない。
――消えてよ
思い出せない。
――消えて
「浮間!」
亮夜に名前を呼ばれ、神奈はビクッと肩震わせた。
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