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プロローグ
遥か昔―。
まだ、天と地が引き裂かれる前。
神々が息づき、魔法や精霊達がまだ生きていた頃。
ヒトの届かぬ遥か天空に、月神の城と呼ばれる巨大な城が、浮かんでいた。
それは何故天空に存在したのかは知らない。けれど月神の城は『ソフィ』の先祖が建造した訳ではないらしい―。
ソフィはもう、神と交信するチカラを失いつつある。太古からの神の英知は書き記せても、もう神からの新たなお告げや知識は得られないに違いない…。
額に貴石を持つ者―『ソフィ』。額に宿る石は、それぞれ特性が異なり、人によって色彩も違う。紅は炎のチカラ、蒼は水のチカラ、緑は風のチカラ―というように大まかに別れ、そのほか操る魔法によって、もっと細かく分類される。
―私の額の貴石の色は―金色。
刹那に天空を引き裂く稲妻の色をしている。
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