1st GAME

9/15
前へ
/26ページ
次へ
「けどなんで勧誘来ないのかな… あ、もしかして強いから勧誘しなくても勝手に集まるみたいな!?」 陽菜の自問自答で期待はどんどん大きくなる 棟に着いて、扉の上にあるプレートをひとつずつ確めていった 「あ、あった!」 部室の前で軽く深呼吸をすると、ノックをしてドアノブに手をかけた 「失礼します! マネージャー希望で来ました よろしくお願いします!」 「……んっ? マネージャー?」 「……え。」 陽菜は目の前を見つめ、固まりだす 開けた先は 落書きされまくった壁 ベコベコのロッカー 散らかったゴミと衣類 そして、 とても野球部とは思えない生徒達 「すいませんまちがえました」 陽菜は棒読みで詫びると勢いよくドアを閉めた 「…………。 ここ、桜海の野球部よね? 9年前甲子園に行ったのよね?」 深く息を吐き、もう一度ドアノブに手をかけた バンッ 「ぐえっ」 陽菜の開ける前に向こう側から開けられ、陽菜はドアと壁に挟まれる 開けたのは野球部員と思われる茶髪の男 「あ、いたいた 君さあ、マネージャー志望?」 「……はい」 「よっしゃあー!!」 いきなりの雄叫びに陽菜の肩はびくんと震える 「あの……」 「あ、俺は3年の坂本楊。 セカンドだよ よろしくー! おい、マネージャーだって!」 有無を言う前に、楊という男は陽菜を部室へ連れ込む 「あ、女だ」 「本当だ」 中には、漫画を読む奴 机を合わせて麻雀をする奴 なんかガラの悪い奴 ま、待ってよ! なんでこんななの!? だって…おかしいでしょ! 「あり? どうしたの、固まって」 「あの、ここって強豪の桜海ですよね?」 「強豪? ああ、昔はね 今なんて初戦敗退の廃部寸前弱小チームだよ」 「えぇぇぇえ!?」          
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加