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「野球のお兄ちゃんたち、かっこいいね!」
幼い少女はテレビの液晶を熱い眼差しで見つめる
名前は中島陽菜。
小学校に上がりたての野球好きな少女だ
「おれも、おっきくなったらあんくらい打つし!」
負けじと言い返すのは、幼馴染みの内海大翔
「ひろとくんよりわたしの方が打つもん!」
「ひなたは女じゃん!
女はしあいに出れないんだぞ!」
「いいもん!」
「ひなたの頑固者!」
「ひろとくんの意地悪!」
幼い二人は互いの頬をつねったりして睨み合う
「ちょっと、二人とも!
やめなさいよ!!」
「だって~」
「だってじゃないの!
ちゃんと二人ともごめんなさいしなさい」
「…ごめんなさいっ」
「……ごめんなさい」
しばらく気まずい空気が流れ、それを大翔が破った
「まぁ、ひなたがしあい出れなかったらおれがひなたの分も打ってやるよ!」
「ほんとうに?」
「おう!
だから、ずっと一緒だぞ
一緒にいなきゃ、敵になっちゃうからな!」
「うんっ!」
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