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落ち着きの無い足取りで街路を歩けば県立桜海高校の門がちらりと姿を現した
「あ、見えてきた」
仁菜子がそこを指差す
「なんか緊張する!」
「ヒナが緊張してどうすんの~」
「だってー!
それに、ゆっちゃんとクラス離れたらやってけない!」
「本当、私にベッタリだね」
仁菜子は苦笑いしながらも陽菜の頭を撫でた
門を潜ると、すぐに桜の大樹が姿を現す
「わ、すごいね」
「きれーい!!」
咲き誇る桜はこれからの生活に希望を与える
しばらく二人は桜に見惚れていた
「あ、見とれてたらこんな時間だ!
ヒナ急ぐよ」
「あ、うん!」
走って昇降口に向かうと大きな掲示板にクラス表が掲示してあった
「えっと、中島は……
あった!
にっちゃん、私3組だよ」
「私も3組だよ」
「よかったー!!」
陽菜は思いっきり仁菜子に抱きつく
「うん、よかったね。
じゃあクラス行こう」
「うん!」
二人は軽い足取りでクラスへ向かった
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