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「新入生は体育館へ移動して下さい」
教室で少し過ごすと入学式の始まりのアナウンスが流れた
生徒はゾロゾロと、お喋りを楽しみながら体育館に向かった
「にっちゃん、頑張ってね」
「ありがと」
クラスが呼ばれるまで入口前で待機をする
1組、2組と順番に呼ばれていく
「3組、入場」
担任を先頭に陽菜たちはそこへ足を踏み入れた
大きな拍手が本当に桜海の生徒になったことを実感させ、陽菜の鼓動は高鳴り始める
緊張と期待を胸に、入学式は始まった
「新入生挨拶
新入生代表、青木仁菜子」
「はい」
いくつかの話が終わると、とうとう仁菜子の出番が回ってきた
「あの子、可愛いな」
「俺タイプなんだけど!」
あちこちでヒソヒソと声が聞こえる
陽菜は自慢気にうんうん、と頷いた
「桜の花も満開の、今日の良き日に私たち新入生は新しい門出を迎えます」
ピンと背筋を伸ばし、凛とした仁菜子はとても綺麗に見えた
「にっちゃんって、やっぱすごいなあ……」
「新入生代表、青木仁菜子。」
拍手に包まれ、仁菜子は胸を張って壇上から降りた
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