始まり

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【9月24日 深夜11時55分】 俺は、もう使われていない、薄気味悪い廃れた駅で電車を待っている。 俺の名前は青野恵介。 20歳大学生。 O型。 電車を待って駅のホームに立ち尽くしている。 10年前から使われなくなったこの駅は、未だに取り壊されてもなく、放置された状態だ。 そこらじゅうに埃や蜘蛛の巣があり、 鉄は錆びれて腐りかけ、 駅全体が黒ずんでいる。 ピューッと冷たい秋の風が吹き付ける。 「寒っっっ」 俺は思わず上着のポケットに手をいれた。 どうしてこんな所で、来るはずのない電車を待っているのかというと、 これが俺のバイトだからだ。
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