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「総司…。いいよ。手当てしてくれてありがとう」
「ダメです!死にたいって思ってる人を何処かへやるわけにはいきません!」
私もびっくりして総司を見た。みんなはさっき以上にびっくりしている。
「…どうしてそれを…?」
私は冷静に聞いた。すると、私の前に座って私の手を握った。
「あなたの瞳には黒いモノが宿っている。出会った時から生きる気力がなかった。それを僕が気づかないと思っているんですか?」
「…」
みんな無言になる。
「ねぇ?土方さん。叶の面倒は僕がみます。それに京を守るということは人を守ると同じだと思いませんか?」
「…総司の意見にも一理ある。だが、部屋はどうする?今でもいっぱいいっぱいだぞ?」
「なら、僕の部屋を半分お貸しします!それなら文句ないでしょ?」
「…好きにしろ」
そう言って土方さんは部屋を出て行った。
「あの総司が…初めて土方さんに口答えした…」
永倉さんが呟く。
「そんなに珍しいんですか?」
「あぁ、一度も見たことない。叶ちゃん!これからよろしくな」
永倉さんは頭を掻きながら照れくさそうに言った。
「よろしくお願いします!」
私も、永倉さんに答えるように笑顔で言った。
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