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あの後、総司の部屋に戻ると医者が来ていて見てもらった。
「頭を怪我しているので1週間は安静にしてください。その後また見に来ますので」
「…分かりました」
医者が出て行くと変わって総司が入ってきた。
「何て言われたんですか?」
「1週間は安静にするようにと…」
私はため息をついた。
「そうですか…」
「ごめんなさい…。総司には仕事あるのに迷惑かけちゃって…」
「迷惑だなんて思ってませんよ」
総司はニッコリ笑った。
「えっ?」
「実は、暇なんですよ。巡察以外することがなくて…。
隊士と手合わせしようとしたら土方さんが
『お前は剣を持つと周りが見えなくなって隊士が死んでしまう』
って言って、毎日1人で竹刀を振ってるだけでしたから…」
「そうなんですか?」
「ええ。だからあなたを此処に止めておきたかったのは僕のためでもあるんです」
「じゃあこれからは私が総司の相手をしますね」
私がそう言うと総司は目を輝かせた。
「…はい!ありがとうございます」
私はニッコリ微笑んだ。
「でも1週間は安静ですからね…。…ちょっと待っててください」
少し考えこむと総司はいきなり部屋を出て行った。
総司に立ち替わるようにして、私と同じくらいの身長のやんちゃそうな男の子が入ってきた。
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