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「お前…頭大丈夫か?」
…いきなり失礼だよ。
私はムッとしながら入って来た人を睨みつけた。
「どういう意味?ケンカ売ってるの?」
「いや!そうじゃなくて!頭の傷!」
と、必死に否定しながら私の頭を指差した。
「あぁ、これね。1週間は安静に…って」
「そっか。早く治るといいな!」
と言ってニカッと笑う。
総司とは違うけどすごい人懐っこい笑い方。
「心配してくれてありがとう。ね?名前何ていうの?」
「俺は藤堂平助!18歳♪新撰組の幹部の中でも一番年下なんだ!」
「じゃあ私と同い年だ。私は叶。よろしくね?平ちゃん」
「へっ、平ちゃん!?」
「そ。平助だから平ちゃん。…そう呼んだら…ダメ?」
心なしか平ちゃんの顔が赤くなったように見えた。
「べ、別に!何でもいいし!」
「ありがとう。みんな年上みたいで…馴染めなくて…」
「そ、そか。なら良かった!」
「おい!藤堂~。ったくあの野郎どこ行きやがった」
廊下から声が聞こえる。
「やべっ。左之さんだ!!早く戻らねぇと怒られる。じゃあな!!」
そう言って急いで部屋を出て行こうと、立ち上がる平ちゃんの羽織の袖を無意識のうちに引っ張った。
「なんだ?」
不思議そうに私を見る。
「あ………えっと……また来てくれる?」
一瞬キョトンとしていたけど、またさっきの人懐っこい笑いを浮かべ、
「…えっ?あぁ、当たり前だろ!じゃあ、また明日来てやるよ」
そう言って私の頭を撫でて出て行った。
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