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「まぁまぁ、斎藤さん。そんな怖い顔しないで。彼女も斎藤さんが怖くて話せないですよ。ね?」
そう言ってニッコリ私に笑いかけるまだ幼い感じがする男の子。
長い髪を後ろで一つに纏めている。
「叶さんですね?僕は沖田総司です。此方は斎藤一さんです」
沖田総司?に斎藤一?
ここは幕末なの?
しかも京都…??
そんな非現実的なこと有るわけないわ。
第一、私はあの時死んだはず。
私が唖然としている間に沖田総司さんが話を進めていく。
「取り敢えず屯所まで来てもらいましょう。近藤さんや土方さんに相談しましょう」
そう言って沖田総司さんは私を軽々と抱き上げた。
斎藤一さんは後ろを黙って着いてくる。
「ちょっ……!!おっ…、降ろしてください!」
「それは聞けませんね。あなたは怪我人なんですから」
「で…でも…私…重いし」
そう言うと沖田総司さんはクスクスと笑って私に言った。
「…大丈夫です。あなたは軽いですよ」
そう言って笑う沖田総司さんにドキッとする。
暫く抵抗したけど、そんな私を面白そうに見る沖田総司さんに嫌気がさして抵抗するのを止めた。
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