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みんな口をあんぐりと開けていた。
「皆さんどうしたんですか?顎の骨外れたんですか?」
そんなみんなの表情も気にせず総司が笑う。
一番最初に冷静さを取り戻したのは、初めに声をかけた人だった。
「とにかく総司と一君おと前は近藤さんの部屋に来い。詳しい話はそれからだ。永倉!」
「はっ、はい!」
永倉と呼ばれた後ろの人が大きな声で返事をする。
「幹部を呼んでこい」
「分かりました」
そう返事をするとまた急いで廊下を走って行った。
「近藤さん、いい加減固まるの止めろ」
そう言って、ため息をつきながらたしか土方さんであろう人が紙を拾いながら言った。
「…あっ、あぁ」
と歯切れの悪い返事をしながら近藤さんは頷いた。
「総司、早く部屋に連れて行って着替えさせろ。お前の隊服の下は何も着てないんだろ?」
「わぁ!さすが女好きの土方さん!」
土方さんに感嘆の言葉をかけた総司。
「えっ?私…」
??裸って話の展開から言えば私のことだよね??
「裸でいたそうです」
私は顔が赤くなるのが分かった。
そんな私を見て気づいた総司が必死に弁解を始める。
「だっ、大丈夫ですよ!僕は見てません!…ちょっと隊服を着せる時に…」
「見たんですか!?」
「…だって裸で運ぶ訳にいかないでしょ!?」
総司も真っ赤になっている。
「…まぁまぁ、総司も落ち着け。そちらの女子さん?総司は倒れている人がいてもほっとくような、冷酷なヤツなんだ」
と、近藤さんが必死に弁解している。
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