ここは……どこ??

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「そっそれでも…」 反論しようとした時に、土方さんであろう人に遮られる。 「お前は裸で此処まで来たかったのか?」 「えっ?」 「大丈夫だ。総司だけしか見てないんだろ?」 私が言ったことをよほど気にしているのか言いにくそうに総司が答える。 「はい…。最初に気づいたのは僕でしたから…」 「総司で良かったと思え。最近の京は浪士がうろうろしてるから何されるか分かんねぇ」 「…はい…」 土方さんの言葉に頷いた。 確かに総司が見つけてくれていなかったら今私はこんなに騒いでいられなかっただろう。 本当なら総司に感謝しないといけない。 「まぁトシ!そんなカリカリするな!あれだろ?総司が初めて連れて来た女子が絶世の美女で妬いてるんだろ」 「ばっ…ちげぇよ!」 近藤さんの言葉に土方さんがうろたえる。 「その様子だと満更でもなさそうですね」 総司がニッコリ笑う。 「だーかーらー」 土方さんの弁解を遮って近藤さんが私を見た。 「おっと名を名乗っていなかったね。俺は新撰組局長近藤勇」 「…土方歳三だ」 「…叶と言います」 私はまだ総司に抱かえられながら会釈をした。 「いい名前だな!俺は叶ちゃんと呼ばせてもらおう」 近藤さんはニッコリ笑ってそう言った。 「じゃあ俺は叶で」 と言った土方さんにすかさず総司がツッコミを入れた。 「ダメですよ!土方さん!叶って呼んでいいのは僕だけです!」 「何でそうなる!?」 「叶は僕のものです!」 …え? 「ね?叶?」 ニッコリ笑う総司。 とりあえず…頷いたほうがいいのかな? 「は、はい…?」 「何で疑問系なんだよ!?総司お前無理矢理言わせただろ!?」 「そんなことないですよ、変な言い掛かりはやめてください。じゃあ叶を僕の部屋に連れて行きますね?」 「じゃあな、叶ちゃんまた後で」 近藤さんが笑顔で見送ってくれた。
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