緋-アカ-

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「・・・痛っ」 軽く俎板のたたかれる音が唐突に止んだ。 「どうしたの・・・っ」 最初に目に入ったのは、滴り落ちる真っ赤な 「・・・血」 「あ、リュウ。」 「血が・・・でてる」 「ちょっと、どじっちゃった…リュウ?どうした…っ」 僕はその色に引き寄せられるまま 「ぁ・・・っん、」 血に染まった君の指を口に含んだ。 久しぶりに感じる、君の命 僕はもう 夢中だった。 「ちょ、リュ…っぁ、」 指の付け根、 手のひら、手首 君のからだがひくりとみじろいだ。 「リュウ…ちょ、リュウったら!」 「っ!」 僕はハッとして君の手から唇を放した。 「・・・ごめ、」 後悔と焦りが渦巻いていく 「ううん。」 君は笑っていた。 とてもやさしく とても悲しそうに 笑っていた。image=431996269.jpg
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