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深夜
「……茜、」
僕は眠る君の頬にそっと手を添えた。
かつても、こうして君の寝顔を見ながら散々考えた
さよならの意味と、その理由
でもそれは結局見つからず
僕は君から離れることを決意した。
ただ怖かったんだ。
君を誤って殺してしまいそうで。
吸血鬼は愛したものの血でしか生きながらえることができない。
僕は君を愛していた。
今も、これからもそれは変わらないから。
いつか君の血をもらいすぎて君が死んでしまうのが怖かった。
だから…
なのに…僕はまた君に出会ってしまった。
同じ場所で
同じように。
君がまた、僕に暖かな手を差し伸べてくれた。
そして僕はまた君の手をとってしまった・・・。
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