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シルエイティーから降りて来た三人を見て、(あぁやっぱりな)と何人かは思った事だろう。金髪ピアスのチャライ身なりで、明らかに二十歳前後だ。
三人はコペンと可奈の姿を認めると嘲るように笑った。
「コペンごときでマジ勝てるつもりかよ?痛過ぎるぞコイツ」可奈の顔がカッと赤くなる。亀山が可奈を抑えて前にでた。
「たかがシルエイティーごときが吹かすなよ小僧ども」
「んだと?!ジジィ!」
「ほら、自分の愛車をけなされたらムカつくだろ?詫び入れるなら許してやるから謝れや」
「テメェがこの女の代わりにバトルすんのか!?」
「俺は別に構わんよ。クルマはアレだ。」亀山は後ろのアルファロメオ75を指した。80年代の角ばった箱車の出で立ちは、三人には随分と古臭く見えたようだ。
「コペンを片付けたら次はそのポンコツの相手をしてやるよ」三人の中でもリーダー格らしい男がコペンの横にシルエイティーを並べた。スタートは料金所入口で、ゴールは頂上休憩所を過ぎた所だ。スタート後に2台の後ろを後追いで、亀山と他のシルエイティー二人が付いて行く流れだ。頂上休憩所にも何人かが連絡係りとして待機している。
「大丈夫。落ち着いて。」可奈は店長に言われた事を頭の中で繰り返していた。
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