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「…まあ、さすがに指摘されたことを無視して、その上勉強を教えてくれとはあまり言えないか」
「………」
「図星だな……ゴホゴホッ……むせたか?」
「体調でも悪いのか?」
「いや、大丈夫だ。さぁて、気を取り直して勉強会と行きますか?」
「ああ、そうだな」
尚人と勝真は階段を登り終え、尚人の部屋の扉を開けた。
7月1日
(………)
真夏の強い日差しの中、尚人は体調を崩し1人寂しく個室で療養中だ。
(……。まさか今までのゲームによるツケがここで回ってくるのは予想外だった)
尚人はゲームにはまっている間の生活は不規則で徹夜をしては授業中に居眠りを繰り返し、急にテストによる危機感により精神的にも体力的にも悲惨な状態だった。
(暇だ。よりにもよって今日は誰も家にはいない……)
「……!そうだ。勉強を……」
ガチャ
玄関の扉が開く音が静かな家の中に響きわたる。
(誰か帰ってきたのか?…いやそれはないか。父さんと母さんは仕事で帰りは夜になるし……!まさか、こんな時に空き巣か!!)
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