地下演習場

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控え室には何人かで集まっても見られるような大きなモニターがある。 「フー~…」 モニターの中の一樹は大きく息を吐くと、背中に背負っている巨大な手裏剣を手に取った。 そしてプロジェクターから光が放たれ、ホログラフが徐々に姿を見せた。 手や足が太く屈強な人型ロボットといった感じのガタイで、人間の頭にあたる場所にはガトリング砲が備え付けられている。そして手の指先はマシンガンになっている。 一樹はその手裏剣を左手に持って体を大きく左にねじった。すぐに投げられるにようにする構えだ。 「いくぜ、天風。」 一樹が呟く。天風とは一樹の武器であるあの手裏剣のことだ。 訓練開始10秒前 チャキ… 天風に繋がれた鎖が静かに音を立てた。    9 無機質なアナウンスが演習場に鳴り響く。 8 ・ 7 ・ 6 ・ 5 ・ 4 3 2 1 一樹が天風を強く握ると天風の刃がギラリと光った。
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