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『それで?ワイドショーがどうとか言ってたけど、八つ当たりをする為にわざわざ俺んちに来たのかよ。』
「ワイドショー…!?
そうだわ!!愛しの高岡蒼甫と宮崎あおいが結婚したのよ!本当にショックだわ…」
『っんだよ!そんな事をわざわざ報告しに俺んちに来たのかよ?そんな暇があるなら、これを機会にもう少し現実的な彼氏でも探せよ。』
「何よ!人が落ち込んでるのに、その態度!秀一なんかもういいわ。二度とこないから。じゃね!バイバイ!さようなら」
勢いよく部屋のドアを閉めた雅美の後ろ姿を見て、少し言い過ぎたかなという罪悪感があった。が、それ以上にゆっくり“仕事”ができると思うと一気にその罪悪感もなくなった。
俺は《五十嵐秀一(イガラシシュウイチ)》。
17歳。IQ216。日本人最年少で東大合格と騒がれたのはもう2年も前の事だ。
しかも3ヶ月足らずで卒業に必要な学力と単位は全て取得している。
あとは出席日数を稼ぐ為だけに年に何回か登校するだけで良いのだ。
登校日以外はニート同然の生活。そんな訳でもちろん大学には友達と呼べる人なんかいない。
小学中学では、周りの奴らは確実に俺と一線を置いていた。話かける時は同級生にも関わらず敬語を使ってきた。
まぁそもそも低能なあいつらと仲良くする気など俺にはないが。
俺が唯一認める相棒は、このパソコンだ。こいつの頭の良さだけは俺の期待を裏切らない。
そして…“仕事”には欠かせない、存在。
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