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ある日の放課後。
いつもなら授業が終わると生徒達はさっさと寮に帰るか、冒険に出るか、(少数派ではあるが。)勉強のため教室や図書室での居残りに徹するのが主であったが、この日は違った。
というか、ここ数週間ずっとそうなのだが。
では生徒達はどこで何をいているのか。
「ほらそこ!ちゃんと相手の動きを見て!……ほら、バトン落としたじゃない!」
「そもそもバハムーンからのドワーフとか身長差がまず無理だから!」
「知らないわよ!こんなんじゃ優勝できないわよ!」
校庭に集まって各々が場所を見つけ、体育祭に向けて競技の練習に燃えていた。
ライバルのクラスに勝ちたいとか、なんだかんだで理由はそれぞれあるようだ。
そしてカンナ達のクラスは、隣のクラス(正確にはジェラート)には負けるまいと必死であった。もちろん、発端はオリーブだが。
「だが、カンナ。俺達のメインイベントは……」
「わかってる。騎馬戦でしょ。あたしとヴァズとあんたで馬を作って、チルルが乗って。最強の布陣よね!」
「俺は断る!馬鹿犬を乗っける気はないし、そもそもエルフにそんな筋力が……」
「あるわよ。君ならできる。シェイド君、信じて」
「なくていい!!」
だいぶごたごたしているようだが、地味にカンナが取り仕切るこのクラスはひそかに優勝候補だったりする。
「隣のクラス、気合い入ってるにゃあ……。」
「また、オリーブとジェラートのせいだろ?まあ、ジェラート軍団が動いてくれるから俺らはとばっちりくわなくて済むけど。」
当のジェラート達のクラスは冷静そのものだったが。
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