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ちなみに。一応冒険者学校である以上、ただの騎馬戦であるわけがない。
少々強引なルールではあるが、攻撃していいのは上だけ。まあこれだけならいいが、その攻撃で叩きのめして馬を潰していく。最終的に残ったチームが多いクラスが勝ち。
無謀。
始まりの合図と共に、チルルを乗せたカンナ、ヴァズ、シェイドが駆け出した。もちろん崩れない程度の勢いで。
「打倒!ジェラート!!」
彼らだけではない。他のクラスメートのチームも(オリーブの)確固たる目的を持って突貫する。
ジェラート達のクラスも負けていない。
「チ~ル~ル~!!」
見覚えのあるドワーフを乗っけたチームが一行の前に立ちふさがった。
「俺はお前を」
「引っ込めぇえ!!」
メリファが何か言っているようだが、それを遮ってチルルは彼の脳天に拳を叩きこんだ。その衝撃で馬を作っていたラフィーナとその他2名もバランスを崩して転んだ。
事実上、オリーブ達のクラスとジェラート達のクラスだけの戦いと化していた。他のクラスはそれら同士で争っているところが若干。あとは怒れる(?)2クラスのチームに喧嘩を売り、万引きされたようなものであった。
ジェラートの子分(自称)である『ジェラート軍団』(これも自称)達が強敵であった。恐らくこの競技にひたすら力をいれて来たのであろう。叩き伏せようにも一筋縄では行かない。
「優勝はうちのクラスだあ!!」
ジェラート軍団がチルル達に向かってきた。
(……多いなあ。)
「どっせい!」
残ったクラスメートのチームと比べればジェラート軍団は多い。しかし、人一倍無謀な冒険者の集まりといえるチルル達は数など歯牙にもかけていない。片っ端から迎えうち、返り討ちにする。
「チルルさん、かっこいい……。」
「輝いてますね~。」
「いいぞ、いいぞぉ!!やっつけちゃえ!」
応援も徐々にヒートアップしてきた。
戦っているのはもちろんチルル達だけではないのだが、無駄に派手な活躍をしている。それぞれのクラスは一歩も退かず戦う。
不意に終了の合図のホイッスルが鳴った。
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