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「終わった……。」
最終的に生き残ったチームが最も多いクラスが勝利となる。
「うちのクラスと隣のクラスはほぼ互角だったと思いますが……」
誰もが緊張の面持ちで結果の発表を待った。
「やったよな?俺ら……」
「チルル、お疲れ。」
「頑張ったけど、どうかなあ……」
「ダメだったら一生お前を恨むぞ?」
「うるさいよ。その時はあんたも連帯責任だよ。」
内心かなり緊張していた。
そして結果が発表された。
-ダンテ先生のクラスの勝利
-よって同クラス、優勝
オリーブの声を筆頭に、学園の校庭に大歓声が巻き起こった。
そしてクラスメート達が大健闘の選手達に駆け寄っていき、勝利を噛み締めあった。
その中、惜しくも2位となった隣のクラスの事の発端、ジェラートは何の行動も起こせずにいた。
表彰式にはオリーブが代表で出た。トロフィーと賞状を掲げる彼女の顔にはライバルに打ち勝った喜びが溢れていた。
「結果的に活躍したのはチルルさん達ですけど。」
「まあ、いいじゃない。あたし達だけが頑張ったわけじゃないし。みんなでコツコツ頑張って、最終的にあたし達が一番目立った、ってことで。」
「……さりげなく『自分頑張ったアピール』してますね。」
「じゃっじゃ~ん!!」
カンナとエストが話していたところに、いつの間にか表彰台から降りてきたオリーブが戦利品を持って現れた。どうやらクラス全員に見せて回っているようだ。
「みんな君たちのおかげだよ!本当にありがとう!!」
「ううん、役に立ててうれしいわ。最初はどうなることかと思ったけど、結果、みんな団結できたし、よかったんじゃない?」
カンナが返した後、オリーブはさらに戦利品を自慢してまわった。
かくして、激戦となった体育祭は幕を閉じた。
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