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(もう少しマシンの球速をあげてみるか…)
打席に入る恭平を見て思考を巡らせる波野。
「監督! マシン、お願いします」
「あぁ分かった…」
波野は、球速のつまみを速度があがる方向へひねり、マシンのスイッチを入れた。
16球目、5㌔ほど球速が速くなった、マシンの球を綺麗に打ち返す。
『カキィィィンッ』
会心の当たりが続く…
そして30球終了。
「ありがとうございました!」
恭平は一礼し土を慣らしてから、打席を後にする。
(これは、とんだ掘り出しもんだ…)
「お願いします!」
続いて鉄が打席に入る。
そして初球、
『カキィィィッン』
グラウンドの端に張り巡らせた、ネットの最上部に突き刺さった。
「………」
波野は黙り込んでしまった。
(何なんだこの二人は…!)
波野は驚愕で支配され、沈黙し、打球の方向を眺める。
フラットに打ちつづける鉄。
そして6人全員の打撃テストは終わった。
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