第1章-入学-

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(もう少しマシンの球速をあげてみるか…) 打席に入る恭平を見て思考を巡らせる波野。 「監督! マシン、お願いします」 「あぁ分かった…」 波野は、球速のつまみを速度があがる方向へひねり、マシンのスイッチを入れた。 16球目、5㌔ほど球速が速くなった、マシンの球を綺麗に打ち返す。 『カキィィィンッ』 会心の当たりが続く… そして30球終了。 「ありがとうございました!」 恭平は一礼し土を慣らしてから、打席を後にする。 (これは、とんだ掘り出しもんだ…) 「お願いします!」 続いて鉄が打席に入る。 そして初球、 『カキィィィッン』 グラウンドの端に張り巡らせた、ネットの最上部に突き刺さった。 「………」 波野は黙り込んでしまった。 (何なんだこの二人は…!) 波野は驚愕で支配され、沈黙し、打球の方向を眺める。 フラットに打ちつづける鉄。 そして6人全員の打撃テストは終わった。
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