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『無題』
2010.12/30
波に任せて海面漂う
空では鳥達が悠々と舞い
海中では獲物探す黒い影
ただこうして食われるか
夢の島にたどり着くかを
待ってるだけなら
いっそ飛べやしないかと
輝く空目指し
小さな羽根 バタつかせた
わずかに浮いた体
一瞬陰った空から鋭い痛み
気付けば冷たく深い闇の中
奥へ奥へと沈んでく
痛みがなんだったかさえわからず
もう光りは見えない
真っ黒な影が傷をえぐり
力尽きる寸前で
海の底へ着いた
海面で見た景色
海中で見た魚達
思い出しながら目をつむり
全ての力をぬいた…
いつのまにか体は浮いていき
そしてまた日の射す場所へ
ゆっくり
ゆっくり浮上しながら
海水のしょっぱさを噛み締める
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