幸福論の目を潜る

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飽きもなく 別れもなく 悲しみのない 充たされた日々は 記憶の中にしか 存在せず 変わりのない 理想的なあの頃を 永続的に繰り返せたら 僕は 今日も幸せですと 心から言える 好きな人たちと 好きな時間に 好きな場所で 好きなことを 好きなだけ 好きにやる生活 それにも飽きて やがて別れがやって来て 悲しみがどっと押し寄せ 充たされずに出来た隙間 その隙間へと 僕は逃げ込んだ ふう ここは永遠じゃないし 昨日とも違う 「好き」のない 無駄とも呼べる 人生の余白 そこには 幸せしかないのに 幸せに感じなくて 向かった先には どう考えても 幸せはないのに その方が良い気がして 先程のあれは 心にもない 言葉だったんだと 前言撤回 好きなものが ひとつもない隙間が 好きなんだとか 誰にも言えない 言いたくない 私の居場所がない 場所にある私の居場所 ふとした時に現れる 論じれば埋められるような どうしようもない その隙間に 僕は逃げ込んだ ふう  
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