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春輔「星谷先生、教育を介して子供たちの夢を破壊することは可能なのですか?」
満輝「はい。人間とは大変マイナス思考だと言われています。弱みに付け込んで、夢を破壊するなど容易いことですね。」
「皮肉ね。どうしてそんな恐ろしいことが日本人にできたのかしら。」
聖ファヌエル学園大学芸術学部立体造形学科ファインテクスチャコースに通うアート・コースの大曽根恵美(おおそね・めぐみ)が首を傾げた。それにゲーム・コースの田中(たなか)はるかが答える。
はるか「日本が便利過ぎて、何もかもに恵まれ過ぎたからじゃない?しかも物質だけ。モノに恵まれ過ぎたせいで、人々が感謝の心を持たなくなったからよ。」
「それもあるが、今は情報化社会。人と触れ合う機会はなくなり、人との暖かみも消えていったからじゃないか?」
ミュージック・コースの高槻晃太(たかつき・こうた)が口を挟む。
晃太「更に、時間に縛られた生活をも強いられ、おまけに職業によっては毎年あるかわからない転勤による引っ越しをも強いられる。今や互いに語り合う場所もどこにあるのやら。」
はるか「そうね。まるで未来が恐いもののように思われてるわ。」
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