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寒くなり始めた。
この日、青木希望(あおき・のぞむ)は、学校の屋上から街を眺めていた。
C県S市にある、私立夢の国学園高校2年生の希望。
実はある覚悟が毎年決まっているのだ。
希望は毎年12月になると、サンタクロースに呼ばれる運命にあるのだ。
幼い頃、サンタクロースを守るために泥棒を撃退した手柄によって、日本人最年少でサンタクロースの弟子の地位を得たと同時に、サンタクロースの統べる夢の会社DRCの内定をも得られたのだ。
そんな希望は、ある疑問をいだくようになった。
空が奇妙に濁って見えたからだ。
2年前からだったかも知れない。
街の空が濁って見える。
それもそのハズだ。
聖夜に夜空で形成されるサンタクロース専用のドリームロードが最近になって壊れかけているのだった。
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