1人が本棚に入れています
本棚に追加
なおみ
「招待席のチケット?わぁ~、ありがとう。絶対に見に行くね」
守
「ああ、また感想なんか聞かせてくれるよな」
なおみ
「うん」
守
「じゃ、おやすみ」
なおみ
「おやすみ」
英雄となおみは、守からチケットを受取り帰路についた。しばらく歩いていくと、英雄が純二との関係を心配して、いろいろ聞いてくる。
英雄
「なおみ、竹本くんとはうまくやっているのか?」
なおみ
「今日の電話の会話、聞いてたでしょ?」
英雄
「ははは、そうだな。で、どうなんだ?」
なおみ
「何が?」
英雄
「そ、そのー、若い子が言うAとかBとか…」
なおみ
「ああ、そのことね。心配しないで。ちゃんと守ってるから」
英雄
「だが…」
なおみ
「私が約束なんて気にしなくていいって言っても、純二さんは絶対に守るって言ってくれてるのよ。だから大丈夫」
英雄
「そうか」
なおみ
「それに、もう別れるのはいやだって。だから、最後まで守り通すと思うよ。そのお陰で、私も勉強頑張らないとって思うの」
英雄
「そうか。いい影響を与えあっているようだな」
なおみ
「うん」
英雄
「それじゃぁご褒美に、4月辺りこっちに帰って来れるように申請しなきゃな」
なおみ
「ほんと?嬉しいっ!」
そして26日、いよいよ純二が帰ってくる日。なおみは、嬉しさで朝早く目が覚めた。
なおみ
「おはよう」
良子
「おはよう。ずいぶん早いのね」
なおみ
「うん。なんか嬉しくて、早く目が覚めちゃった」
良子
「あっ、今日は竹本さんがくる日ね」
なおみ
「うん!」
なおみは、とても嬉しそうな笑顔で言った。
良子
「何時に着くの?」
なおみ
「お昼前。お昼は純二さんと外食するの」
良子
「うちへ来てもらったら?お昼くらい作るわよ」
英雄
「まぁいいじゃないか。今日くらい2人きりにさせてやりなさい」
なおみ
「わ~い、ありがとう、お父さん。ご飯食べたら時間まで宿題しようっと」
いつもより張り切っているなおみを見て良子は、考え事をしていた。
英雄
「どうしたんだ?」
良子
「…最近あの子が変わったような気がして…。今まであんな真面目なこと、言ったことないのに…。それに、とてもいい笑顔をして…」
最初のコメントを投稿しよう!