夕陽の中で 第5章

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英雄 「そうだな。みんな竹本君のお陰だな」 良子 「そうね」 英雄 「それなのに私は…。2人を別れさせるような事をして…」 良子 「あなた、それは…。なおみたちは別れてよかったって言ってるんですから」 英雄 「そうだったな」 そして11時。純二を迎えに行く時間がきた。 なおみ 「じゃ、行ってきます」 良子 「気をつけてね。浮かれすぎて羽目を外してはダメよ」 なおみ 「はーい」 東京駅は、帰省する人々で混雑していた。 なおみ 「うわぁ、すごい人。純二さん、見つけられるかなぁ」 なおみは、純二を見つけやすいように、純二が到着するホームへ行くことにした。 なおみ 「ちょっと早かったかなぁ」 アナウンサー 「間もなく1番線に、12時5分発の博多行きひかり237号が到着いたします」 なおみ 「あっ、きっとこれだ」 アナウンサー 「毎度ご乗車ありがとうございます。お手荷物などお忘れ物ございませんよう、お降りください」 たくさんの人が降りてきて、ホームはたちまち大混雑。もみくちゃにされながら、なおみは一生懸命純二を探した。 なおみ 「純二さん、どこかなぁ」 なおみは、人が空くまで待つことにした。しかし、人が疎らになっても純二の姿はなかった。 なおみ 「あれ?純二さん、乗ってなかったのかなぁ」 純二は、なおみを驚かそうと、柱に隠れていたのだ。そっと気付かれないように、少しずつなおみに近づいていった。そして、なおみのすぐ後ろに行き、目隠しをして…。 純二 「だーれだ!」 なおみ 「えっ!?純二さん?」 純二 「やぁ、ただいま」 なおみ 「ひ、ひどいよ。劇的な再会を期待してたのに…」 純二 「あっ、そうだったの?ごめん。それはまた今度まで楽しみにしてて」 なおみ 「もう知らないっ!」 なおみは拗ねて、1人で帰ろうと背を向けた。 純二 「おい、なおみ。待てよ。悪かったよ」 なおみは、黙ったまま地下通路の方へ向かった。その時、なおみの腹の虫が鳴った。 なおみ 「あっ、やだー」 純二 「そうか、腹が減ってたから怒りっぽかったんだな。じゃ、飯食いに行こう」 なおみ 「うん!」 純二 「もう機嫌直ってる。現金なやつだなぁ」
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