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純二
「はい。まだはっきり決めてませんが、この後叔父の家に挨拶に行きたいと思います。それと、何日かは実家に帰ろうと思います」
なおみ
「私も行きたい!」
英雄
「何を言っとる。実家に帰るときくらい、親子水入らずにさせてやれ」
なおみ
「…はーい」
なおみは、口を尖らせて言った。しかし、それを純二が許可した。
純二
「いいじゃないですか。9月のときは風邪で行けなかったし、母もなおみに会いたがってましたから」
良子
「でもご迷惑じゃ…」
純二
「母も喜ぶと思いますので…。俺からもお願いします」
英雄
「いつもすまんなぁ」
純二
「署長、それは言いっこなしですよ。俺もお世話になるんだし、お互い様です」
英雄
「そうか?わかった。今日からはオープンで行こう。なぁ、純二くん」
純二
「はいっ、お父さん」
なおみ
「…変なの」
純二
「じゃぁ、ちょっと叔父のところに行ってきます」
なおみ
「私も行くー!」
竹本家では、突然の来客に驚いていた。
純二
「こんにちは」
勢津子
「はーい、あらっ、純ちゃん。どうしたの?里帰り?」
純二
「う、うん。まぁね」
勢津子
「なおみちゃんもいらっしゃい。あがって」
純二
「お邪魔します」
勢津子
「お父さん、純ちゃんが来たわよ」
敏明
「おう、いらっしゃい」
純二
「おじさん、ご無沙汰してます」
勢津子
「いつこっちに?」
純二
「今日。なおみんちに泊まることにしたんだ」
勢津子
「もっと早くに知らせてくれたら、うちで準備したのに…。よそ様に泊まるなんて…。今からでも変われないの?」
純二
「うん。でも…、なおみの傍にいたいから…」
純二は恥ずかしそうに言った。なおみも顔を赤くしていた。そこへ、純二が来たと聞いて、孝行が居間に入ってきた。
孝行
「純二さんが来たって?」
純二
「よう」
孝行
「…なんだ、コブ付きかぁ」
孝行は、なおみの姿を見るなり言った。
なおみ
「なによコブって」
孝行
「お前のことだよ。いつも純二さんにくっついてるコブじゃないか。それとも金魚のフンか?」
なおみ
「もう!失礼ね」
敏明
「まぁまぁ、コブでもフンでもいいじゃないか。母さん、ビールビール」
勢津子
「はいはい」
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