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なおみ
「うん。決まったら教えてね。東京駅まで迎えに行くから」
純二
「ああ。じゃもう切るよ」
なおみ
「うん、私もカーディガン編まないといけないし…」
純二
「あまり無理するなよ。正月に風邪でも引いたら大変だぞ」
なおみ
「そうよね。お医者さんも休みだし、せっかく純二さんが来てても、どこへも行けないもんね。気をつけなきゃ」
純二
「じゃ、またな。おやすみ」
なおみ
「おやすみなさい」
電話を切った後、なおみはニコニコしながら、純二が東京へ来たときのことを考えていた。
次の日、夕方から港署捜査一係でクリスマス会が行われるため、西田となおみは、その準備で大忙し。なおみは西田を手伝うため、西田のアパートに来ていた。
なおみ
「西田さん、次は何をすればいいの?」
西田
「そうだなぁ。じゃ、みんなに配るプレゼントを包んでくれる?」
なおみ
「はーい。これね」
なおみは一生懸命きれいに包もうと努力していた。
なおみ
「昨日純二さんから電話あったの。お正月休みにこっちに来るんだって」
西田
「へー、また会えるんだ」
なおみは嬉しそうに返事した。
西田
「…。そんなに竹本が好き?」
なおみ
「えっ!?」
西田
「なおみちゃん、忘れてない?」
なおみ
「なにを?」
西田は、なおみの両肩を掴んで、なおみの目をじっと見ていた。
西田
「俺はまだ君の事、好きなんだし、諦めてもないよ。チャンスがあればアタックするし、手も出す。そのつもりで…」
なおみ
「そんなぁ。でも、私、西田さんの気持ちに答えることできないよ」
西田
「わかってるよ。それでもいいんだ」
西田は、なおみの肩から手を離し、頭の上にポンッと手を置いた。
西田
「さぁ、あと一息だ。頑張ろう」
なおみ
「…うん」
太陽が山の中に隠れようとしているころ、一係でも着々と準備が進んでいた。孝行や守も、なおみより一足先に一係に到着し、クリスマス会の準備を手伝っていた。
塚本
「そろそろ西田が来る頃だ。準備はいいか?」
孝行
「はい、飾りはOKです」
守
「飲み物とお菓子もOKです」
野村
「後は事件が起こらないことを祈るだけだな」
しばらくして、西田たちが来た。
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