これが噂の…?

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ガラリと教室の扉が開き、化学の西山が入ってくる。 「起立!」 竹田君の一声で皆立ち上がる。 ガタガタと椅子が動く。 「礼!」 皆がきっちり礼をするわけもなく、軽く頭を下げるだけ。 「着席!」 皆が座る。起立のときと同じようにガタガタと椅子の音が響く。 「…やっぱ授業終わってからでいいや」 絵里香は一度振り返って小さな声で言った。 「あ」 荷物片付けてなかった。 「えーと、この前は何処までやったかな…」 西山が自分の教科書を見ている間にリュックから化学の教科書とノート、筆箱を引っ張り出す。 ついでに弁当箱も引っ張り出して机の左側に、リュックは右側に掛ける。 「あぁ、まだココなのか。8組はペースが早いねぇ」 うんうんと嬉しそうに頷く西山。 「硫酸の性質は覚えた?今日は次進むからね…」 …コイツはいつも教科書片手に黒板と会話してるようなもんだから少しくらいならバレないはず。 ウチは西山が黒板に化学式を描き始めたのを確認してブレザーの右ポケットのケータイを掴んだ。
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