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見慣れた自分の白いケータイ。シャープな角、薄くて軽いコレは一ヶ月前に前のヤツと換えた新機種。
一ヶ月で結構使ってきたけど画面を見るのにドキドキしたのは初めてだ。
「……」
背面のディスプレイの下のランプが青色に点滅している。
ケータイを開く前に西山の様子を見る。
「この化学式は覚えるの簡単でしょう。難しい難しいって言ってると、いつまでも覚えられないよ」
…よし、大丈夫。
あのジジイは相変わらず黒板と会話してる。
右隣の桜木君がこっちを見たけど気にしない。
絵里香の言葉の続きよりもこっちのほうが気になる。てか確かめないと授業に集中できない。
ウチはゆっくり、慎重にケータイを開いた。
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