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1時間目が終わり、西山が出ていく。
皆はいつものように会話を始める。
「昨日山岸さんが告白されたんだって!」「今朝隣のクラスの友達がね…」「昨日駅前で見たんだけど…」「美術部の友達がね…」
青高生は噂話が好きだ。何かしでかしたのを誰かに見られたら次の日には皆に広がってる。とにかく広まるのが早い。
まぁ噂の内容は嘘かホントかよくわからないものばかりだけど…
…なんで噂なんかで盛り上がれるのかウチには分からない。
実はミッションメールも4月から広まり始めた噂だったりするんだけどね。
「…絵里香、さっきの続きって何?」
くだらない噂話に耳を塞ぐように絵里香に声をかける。
絵里香は振り返ってウチを見た。
「え?」
「1時間目の前に言ってたやつ」
「あぁ、アレね」
自分で言っておいて忘れかけてたみたいだ。
「アレは…」
絵里香は艶やかな手つきでウチの頭を撫でた。
「……」
「……」
絵里香がウチの目を覗き込む。
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