Mission No.1 パートナーに接触せよ

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ウチは男子を無視して三口目を味わう。 「夏草君?」 絵里香が寝癖のように跳ねた茶髪の男子…夏草君を見上げる。 そういや今呼ばれてたよね。氷雨って。 少し用件が気になってウチも夏草君を見た。 パタンとケータイを閉じるとそれが合図だったかのように夏草君が口を開く。 「あの…さ」 夏草君は息切れしている。目が焼きそばパンを見ている気がする。 「クラスのヤツから聞いたんだ。氷雨さんが購買で焼きそばパンを買ったって」 夏草君の言う通り、絵里香(とウチ)は英語が終わってすぐ、ダッシュで購買に行ってパンを買った。 絵里香は焼きそばパン、ウチはチョココロネを買った。 「…それがどうしたの?」 絵里香は不思議そうに首をかしげた。 確かに“それがどうした”だ。 絵里香が購買で何を買おうが夏草君には関係ない。 「氷雨さんが買った焼きそばパン、ラストだったよな?」 物欲しそうな目で絵里香を見る夏草君。 …そういうことか。 「あげないよ」 絵里香も感づいたみたいだ。 焼きそばパンの袋から出ていた部分を袋の中に戻し、自分の後ろ…フェンスと自分の隙間に隠した。
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