Mission No.1 パートナーに接触せよ

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絵里香は焼きそばパン二個と未開封のパックジュースを抱えて立ち上がった。 「焼きそばパンはアタシの命の源…これがなかったら死ぬ!!」 そう叫びながらドアへ向かって走り出す。 その様子は火事場で赤子を守る母親。何故かカッコ良く見える。 「逃がすかぁっ!!」 夏草君が絵里香の前に立ち塞がり、出口は塞がれた。 止まった絵里香に夏草君がジリジリと詰め寄る。 「っ!!」 絵里香は反対方向へと走り出す。 フェンスに囲われた屋上でドア以外に出口はないのに。 「こっち来ないで!!」 「焼きそばパンくれるなら退散する!!」 「それは無理!!」 「よこせ!!」 「絶対あげない!!」 真昼間の屋上で絵里香と夏草君の追いかけっこが始まる。 しつこい野郎だ。 そんな野郎に追い掛けられ、走り回る絵里香がクールに見えるのは見た目のせい。叫ぶのもカッコイイ。 見た目で得してる(中身はドMで変態なのに) 対してしつこい野郎、夏草君。 寝癖のように跳ねた茶髪。 太陽のような性格の彼によく似合う小麦色の肌。 ぱっちりとした茶色い目。 手足は意外と細めだったりする。 夏草君は必死の形相で女子を追いかけ回す。 見た目はカッコイイ部類(らしい)のにやってることはカッコ悪い。 ……という様子を見ている間にチョココロネ完食。ウチは完璧部外者だ。 ケータイを取り出して時間を見る。 …まだまだ大丈夫、ってメール来てる。
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