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夏草君の弱みを利用してパシらせた桜木君が悪いんじゃ…
……。
「桜木君?」
「ん?」
桜木君は“俺は関係ありません”って態度をしている。
夏草君や被害にあった絵里香が可哀相じゃん。
「そんなに焼きそばパンが欲しかったの?」
ウチの言葉で絵里香は二つの焼きそばパンを後ろに隠した。
めっちゃ警戒して桜木君を睨みつけてる。
「…欲しかった、じゃなくて今も欲しい」
「……」
コイツ全く反省してねー…
諦め悪いにも程があるでしょ。
しつこい野郎は嫌われる……って桜木君はモテるんだっけ。
イケメンは得してるよね。
「桜木もこんなに欲しがってるわけだし一個くらいくれよ!」
「断る!!」
何故か戦闘を再開した絵里香と夏草君。両者どちらとも譲らない。
原因は間違いなく目の前にいる桜木君だ。
「お前から焼きそばパン貰わないと俺の人生が終わる!!」
「知るか!!」
……このままだと昼休みが終わる。
夏草君の事情なんて知ったこっちゃない。
これはあくまで絵里香のためだ。
「…あのさ、焼きそばパンじゃなきゃダメ?」
ここはウチが交渉してみよう。
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