序章

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 あたしは深く考えずパッケージを抱えると、二本目に手を伸ばした。  ビリッ!!  さっきよりさらに強烈な静電気。  てか、全然「静」じゃない。  なんだ? 福山の呪いか?  さらに罰当たりなことを思いつつ、あたしは二本目のパッケージで、三本目をつつく。  何も起こらない。  面白い。そっちがやる気なら相手になってやらあ。  何の相手をするのかよくわからないが、あたしはがしっと三本目のパッケージをつかんだ。  世の中よ、道こそなけれ、思ひ入る・・・・  あ、違った。  じじいに仕込まれた百人一首が思わず浮かんじまった。  世の中には人知の及ばぬ不可解なことが存在する。  しかし誰しもそれを自分が体験するとは夢にも思わない。  そう、今のあたしのように。 「ぎょわああああああああぁぁぁぁぁ―――」  痛てええええっっっ  声にならないくらい痛えっ!!!  ナレーション風に格好良く言ってみたけど痛いの変わんねえし!!  なんだ、なにが起きているんだ。  もはや「動」電気・・・  強烈な電撃を受け、あたしの意識は吹っ飛んだ。
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