序章

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 夢を見た。  目が覚めたら胸がドキドキしていた。  こんな気持ちは初めてだ。  これは恋。  でも今までとは違う、今度こそ本物の恋――― 「って、前はご老公様って言ってなかった?」  思い切って打ち明けたあたしに、冷水を浴びせるような友人の言葉。 「主水様じゃなかったっけ」 「どっちにしても趣味おかしいって。必殺なら普通ジャニっしょ」 「おかしくないってば」  言いたい放題の友人二人にあたしは言い返す。 「主水様もご老公様も素敵な人だった。でもそれは過去のこと」  あたしは両手を組むと、うっとりとする。  そう、今度こそ見付けたのだ。  運命の相手を。
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