30人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっちぃなぁ……」
学生服を着た一人の少年は京都の町を歩いていた。
「ちくしょう……まさか見失っちまうとはな」
男の名は大沢神治<オオサワ シンジ>。ごく普通の学校に通う中学三年生だ。
神治は地図を出す。
「うーんと、ここは……祇園の南……見たことない地名だな」
神治が周囲を見渡した。
すると、
「あなたが大沢神治ですね」
神治は急に自分の名前を呼ばれ、振り返った。
そこには巫女服を着た自分と同じくらいの少女がいた。
「……あなたが神をまとめるもの、というの……? とても信じられない……いや『タイガノミコト』の予知だから信用できるものだけど……」
「?」
神治にはその少女の言ったことが全く分からなかった。
「まあ、いいでしょう。あなたが大沢神治ですね。はじめまして。私は神薙めぐみ<カンナギ メグミ>といいます」
最初のコメントを投稿しよう!