はじまりのこと

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「あっちぃなぁ……」 学生服を着た一人の少年は京都の町を歩いていた。 「ちくしょう……まさか見失っちまうとはな」 男の名は大沢神治<オオサワ シンジ>。ごく普通の学校に通う中学三年生だ。 神治は地図を出す。 「うーんと、ここは……祇園の南……見たことない地名だな」 神治が周囲を見渡した。 すると、 「あなたが大沢神治ですね」 神治は急に自分の名前を呼ばれ、振り返った。 そこには巫女服を着た自分と同じくらいの少女がいた。 「……あなたが神をまとめるもの、というの……? とても信じられない……いや『タイガノミコト』の予知だから信用できるものだけど……」 「?」 神治にはその少女の言ったことが全く分からなかった。 「まあ、いいでしょう。あなたが大沢神治ですね。はじめまして。私は神薙めぐみ<カンナギ メグミ>といいます」
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