序章・始まりの森

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少年が迷っていた。 少年が宛てなさげに歩き回るそこは、まだ昼なのにも関わらず明るい日差しがささない、空まで覆うほどに伸び繁った葉が重なる森。 いつのまにか、森に入り出れなくなった少年は、同じような場所を何度も行ったりきたりしていた。 「こっちじゃない……か…」 額に浮かんだ汗を腕で拭いながら、ちょうどよい大きさの石に腰をかける。 休まずに歩いた足は、もう疲れで悲鳴をあげていた。
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