電車

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ニンマリとした笑顔。 「!!!」 『私も、許しませんわよ?』 突如現れた鎌に、声が出なかった。 急いで舌を引っ込めて、どこから来たのかフワリと大きな赤いスカートを身に纏った金色の髪の女の人を見やる。 「あ…あ…」 『どうして君がいるんだい?』 『あら、私がいたら不服かしら?あなた一人じゃ不安だからよ。アリスを任せてなんていられないわ。』 『何で来られるんだい?』 『分からないわ。けど、来てしまったのだから仕方ないわ。アリスを首にしてから、帰る事にするわ…と思ったけど、必要ないみたいね。』 スヤスヤと眠るアリスを見た女の人が優しい笑みを浮かべる。 そして次に私に目線を移した。 『あなたの首でもいいかもね。』 「!?」 「許しませんよ」 『!!』 シュルシュルとアーウィンの長い舌が金髪の人の腕に絡み付いた。 というか…いつから起きてたのよ…アーウィン…。 『ふふ、随分面白い事するのね』 「言っとくが、俺達は人間ではない。」 『あはははは、そんなの、私達も人じゃないと言ったら?』 『僕と君を一緒にしないでよ』 『うるさいわよ!黙って!』
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