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「ごめん、千春!!お父さんの借金が大変なことになってるの。だからもうこの町にはいられないわ」
「はぁ?」
桜の蕾も膨らむ高校の卒業式の次の日、母から言われた一言だ。
確かに昔から家は貧乏だった。でも借金がそんなに大きくなっていたなんて私は知らなかった。
それから父と母は『東北の漁港に出稼ぎに行ってくる』と言って、私に少しのお金を残して出ていってしまった。
もちろん内定をしていた会社から内定取り消しもやってきた。
ふ、ふざけてる…
そして、住んでいた家も売り飛ばしてしまって、帰るところがなくなった私は、毎日をインターネットカフェなどで過ごして生活をしのいでいた。
…がいよいよ少ないお金も尽きてしまった。
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