登校

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私は人とは違う。 もしかすると、私は人間ではないのかも知れない。 人間よりも悪魔に近く、神と等しい力を持っている。 私は高校2年生の、どこにでもいる女子高生である。しかしながら、私が人と違うのは、人間離れした能力である。今私は高校の中での成績が一番である。だが、その成績は偽りのもので、本来の私の学力ではない。私は生まれてからずっと、"私"を演じ続けている。私がまず最初に、自分は人と違うと感じたのは幼稚園児だった頃だ。その日は3日続く豪雨があり、川は氾濫し各地で土砂崩れが起きていた。私は家族と共に避難をするために車に乗っていた。しかし、あまりの豪雨で視界は5m先が見える程度でしかなく、当然ながらそのような環境で運転をしていたため事故に巻き込まれた。車は大破し、家族は血まみれになり、私は車外に放り出された。私はこのとき覚えた感覚を今も忘れない。その感覚は疑うことのない"死"の感覚だった。まだ幼い私はその感覚が何なのか解らなかったが、ハッキリと思ったのが死にたくないという感情である。そうして今の私の能力が生まれた。 私の能力とは時間軸の変更。簡単に言えば時間操作である。私が願えば全ての事象は止まり、私が望めば時間が巻きもどる。そして、私が思えば私は現在に並行する過去の分岐点から派系したパラレルワールドに行ける。これが私の能力である。
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