共同生活の始まり

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「あ、でも颯月さん彼女とかいたらまずいんじゃ…?」 「いませんよ。残念ながら独り身です」 「でもでも颯月さんにご迷惑おかけするわけには…」 「僕と暮らすのがそんなに嫌ですか?」 颯月が寂しそうな顔で小春を見つめる。 そう言われては断れない。 「う―、では颯月さんがそれでいいのなら、よろしくお願いします」 「じゃあ交渉成立ということで」 ニコッと笑うと、颯月は寝室に行って黒のスウェットに着替えてきた。 「あ、それから寝室はあなたが使って下さい。僕はソファーで寝ます」 慌てて小春が反論する。 「ダメですよ!私がソファーで寝ます」 「いいから君は黙ってベッドで寝なさい」 「何言ってるんですか、颯月さんの方がお仕事で疲れてるんですから」 「・・・じゃあ一緒に寝ます?」 眼鏡を外し、テーブルに頬杖をついてからかうように小春を見つめる。 整った顔立ちの颯月に見つめられ小春の顔が紅潮するが、ここで引くのは悔しくて思わず言い返す。 「いいですよ。じゃあ一緒に寝ましょう」 「・・・・」
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